4. 工事現場をたくさん見た / エクアドル旅行記

クエンカの街は道路が碁盤の目のよう。京都を思い出します。通りの名前を頼りに街を歩けば迷うことはありません。気ままに「右に3回曲がってから左へ1回、2つ直進してまた右に3回曲がったら宝物がある」なんて宝の地図を空想しながら街を歩くなんてことも楽しいかもしれません。道路は石畳。ガタガタと酷い音を出して通る車に慣れるまで、街歩きは億劫でした。


乗用車から軽トラック、大型トラックにバスと、大小様々な車が石畳を圧迫するためか、至るところで道路工事を見かけました。石をはがしてその下にある地面を均し、新しい石(か、もしくは剥がした石)を戻します。


工事を写真に収める時、最初は恐る恐るカメラを向けていました。でも、ホテルに帰って写真をチェックしたら、おじさんたち、笑顔でこちらを向いているしどことなくポーズまでとってるじゃないですか。次の日からは堂々とカメラを向けるようになりました。ただ呆れていただけかもしれないけど。


道路から建物に目を移すと、クエンカの中心はコロニアル建築が並んでいます。コロニアル建築とはスペイン統治時代の建築。白い壁にちょっとしたバルコニーが突き出しているのが特徴で、歴史を感じることができます。


いや、これはちょっと表現が違いますね。「統治時代の建築様式が歴史を感じさせます」という文字による先行情報はあったものの、それがどんなものなのか視覚的な情報はありませんでした。私はスペイン統治時代のエクアドルの風景を写真や絵画で見ていません。だから目に入る建物がはたしてコロニアル建築なのかどうか、しばらく気にもなりませんでした。瓦屋根や白い壁。無造作に木の柱で支えられた不安定な軒先。化学的ではない土の香り。


建物を補強する工事をいくつか目にすることができました。足場は少し細い丸太で組まれたシンプルなもの。地面でそれを支える重しは土で一杯のドラム缶。


大通りに面した工事現場は、水色と白の縦ストライプが印象的な布で全体を覆います。これは空と雲をイメージしているのでしょうか。確かに風で膨れ上がる布は可愛く、街の景観を邪魔し…ません。裏通りの工事現場はむき出しですが、そこには元気よく作業している男前の笑顔がありました。


場所を変えて首都キトでは、一気に工事現場が近代的になります。教会横の建物を補強する工事は金属の足場が組まれ、アスファルトで舗装された道路の補強は専用車両で一気に行い、巨大な商業施設の建築はクレーンを使ったダイナミックなもの。


タイのバンコクで感じた勢いほどではありませんが、これから発展してやるぞという活力を感じる工事現場でした。「エクアドル国家開発計画2013-2017」が昨年の7月末に発表された同国。これから大きく変化していく途中なのかもしれません。

それにしてもクエンカのあの素朴な空気はいつまで変わらずにいるのやら。ということで「工事現場(建設/道路)を見てきて」ミッション大成功でした!

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