第9回アーティストのための金属加工機械ツアー / ご報告

事業支援の行政施設がアーティスト(美術作家)を個人事業主と認め支援範囲を広げた昨年度。まだまだ周知されていないこの状況をアーティストに伝えるべく始まった「アーティストのための金属加工機械ツアー」ですが、今年も実施することになりました。


前回開催から少し間があきましたが今年度最初のツアー(第9回)は8月22日に実施いたしました。金属を用いた彫刻のアーティストさんが多く参加されたためか、加工機械に対していちいち(良い意味で使っています)盛り上がり、盛況となりました。

特に皆さんのテンションが上がったのは「放電加工」を行う機械です。特にワイヤー放電。雷の原理を利用し、電導性のある金属であればどんなに硬い金属でも加工できるという代物。レーザーよりも精度の高い加工ができるためから、アーティストの皆さんの想像を膨らませたのかもしれません。



毎回恒例となりました、技術相談員さんによりサプライズもレベルアップ。今回は3Dプリンターでプリントした小さな人間の手が全員にプレゼントされました。石膏の粉に糊を吹きかけて固めていくタイプのプリンターを、まるで遺跡発掘のような手振りで掘り探っていくと出るわ出るわ小さな手。コンプレッサーで細かい粉を吹き飛ばす作業も経験できました。本来は、この後オイルコーティングをするという工程があるのですが、この日は時間もないので割愛となりました。



地下にある検査機械の説明では、今回初めて蛍光X線分析の機械で組成検査を行いました。参加者のお一人が持っていた銀のブレスレット(5万くらいしたらしい)の組成です。はらはらどきどきしながら結果を待ちました。案外時間がかかります。結果は…ちゃんと銀でした。



ツアーの後は歩いてキラキラ橘商店街へ。新しくできたすみまめカフェにて休憩がてら情報共有をいたしました。大田区と墨田区の比較のお話。現代美術作家の生活の話。美術全般のお話しなどなど。特に大田区と墨田区のちょっとした違いの話は興味深いものがあります。墨田区の底堅い力の理由は何なのか、もっと知りたくなりました。

 ※次回の開催は9月26日(土)となります。応募方法などは追ってお知らせいたします。

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